インプラント治療は高額な治療法として知られており、費用はクリニックや治療内容によって異なりますが、一般的には一本あたり数十万円から百万円を超えることもあります。この費用には、手術に必要な設備、使用されるインプラントの材質、術後のケアなど、さまざまな要素が含まれているため、費用が高くなる傾向にあります。以下は、費用の内訳について詳しく解説します。
インプラント治療の主な費用内訳
- インプラント本体の費用 インプラント治療で使用される人工歯根は、通常チタン製で、耐久性や安全性が非常に高く、骨としっかり結合する特性を持っています。このインプラント本体の価格が治療費の大部分を占め、1本あたり15〜30万円程度が一般的です。
- アバットメントの費用 アバットメントは、インプラント本体(人工歯根)と上部の人工歯をつなぐ部分であり、患者の口腔内の形に合わせて特別に設計されることが多いため、数万円から10万円ほどかかることがあります。
- 人工歯(クラウン)の費用 インプラントの上に装着する人工歯は、セラミックやジルコニアなどの高品質な素材を使用することが多く、見た目も自然で美しい仕上がりになるように作られます。費用は素材によって異なりますが、10〜20万円程度が相場です。
- 診断・検査費用 治療前には精密な検査や診断が必要です。レントゲンやCTスキャンによる撮影費用や診断料がかかり、3〜5万円程度の費用が必要です。特にCTスキャンはあごの骨の状態を3Dで確認するため、インプラントの埋入計画に欠かせません。
- 手術費用 インプラントをあごの骨に埋入するための手術費用も含まれます。手術は局所麻酔下で行われることが一般的で、術式や医師の技術に応じて10〜20万円程度の費用が発生します。治療の難易度が高くなると、費用も上昇する傾向にあります。
- メンテナンス・保証料 インプラント治療後の定期的なメンテナンスが重要です。治療費には、術後の検診やクリーニング、メンテナンスが含まれることが多く、クリニックによっては長期間の保証制度を設けている場合もあります。保証期間内であれば、万が一トラブルが発生した際にも追加の費用がかからないケースもあります。
トータルの費用感
一本のインプラントの総費用は、全てを含めると40〜60万円が一般的です。ただし、難易度が高いケースや骨を補強するための骨造成などの処置が必要な場合、さらに費用がかさむことがあります。複数の歯をインプラントで治療する場合や、部分義歯とインプラントを併用する場合などは、その分費用も増加します。
保険適用について
日本では、インプラント治療は通常自由診療(保険適用外)となり、全額自己負担が必要です。ただし、外傷や病気による特殊な場合に限り、一部の医療機関では保険適用になる場合もあります。具体的な保険適用の有無については、事前に歯科医と相談することが大切です。
インプラント治療の費用を考える際のポイント
- クリニックごとに異なる費用:インプラント治療の費用はクリニックによって異なるため、信頼できるクリニックを選び、複数の歯科医に相談して比較検討することが推奨されます。
- 長期的な視点でのコスト:インプラントは長期的な耐久性があり、10年以上使用可能なケースが多いため、入れ歯やブリッジに比べると長期間にわたってコストパフォーマンスが高い治療法です。
- 分割払いの有無:多くの歯科医院では、分割払いに対応している場合があるため、一度に高額な費用を支払うことが難しい場合は、分割払いを利用できるか確認することも選択肢の一つです。
インプラント治療は費用が高い分、患者の生活の質を大きく向上させる可能性があり、自然な見た目と機能性を兼ね備えた治療として多くの人に選ばれています。